大槻ケンジ。
最近、何気なく聞くことがあったのでブログのネタに。
一般には「筋肉少女帯」のボーカルですが、
オーケンの書く歌詞は、精神的になかなか壊れています。
日本印度化計画とか、高木ブー伝説などは有名ですが、
その他にも、愛する人と一緒にいたいがために
ヌイグルミに変身して家でずっと行動を見守ったり、
創作活動に追い込まれた作家がヌイグルミを身代わりにして
逃避行し、そのあげく、銃を乱射して自殺したり、
キノコ人間が胞子を振りまくなどなど。
壊れっぷり、というか、歌詞から広がっている発想の着眼点、
その斬新さと言うか病み具合はもはや天才としか思えない発想です。
このネガティブなパワー。
陰を持って陽を制してしまったそのパワーは、
気が病んでいるときにオーケンを聞くと、
本当にヤバいくらいダメージを喰らうくらい、
恐ろしい破壊力を持っています。
生温い居心地のいい曲ではなく、聞く側も覚悟がいる、
そうでないと本当に心が破壊されてしまいます。
本当にロックです。ロックンロールです。
表現者には負のパワーを正にしてしまうパワーがないと
いけないということを、まさに音楽で「表現」しています。
本当に表現したいものを全力で表現している。
たとえネガティブであれ、病んでいると言われようが、
心の叫び、そして悲痛、苦心、病んだ感情を
全力で音楽にのせることで表現しています。
だから、その全力っぷりが、
聞く側にもダメージをあたえる音になる訳です。
しかも、それを商売ベースに載せているのが
オーケンのスゴいところだと思います。
どんなものでも表現の糧にしてしまえる、
それが陰のものであっても、
表現した気持ちがあれば、形に出来る。
芸は身を助けると言いますが、
オーケンはまさに、芸によってプロになり得た人。
ネガティブな力と才能を融合させて
闇に開花した天才だと思います。